長野にあるたくさんのワイナリーのなかで私が一番好きなRue de Vin(リュードヴァン)。以前帰省した際に駅ビルMIDORIの「醗酵バー醸」でいただいてあまりのおいしさに買ってきたソーヴィニヨンブランを満を持して自宅でいただきました。
キッチンで料理をしていたところ、友人がテーブルで開栓しただけでいい香りが漂ってきて驚きました。ポルチーニなど香りの強い材料もあったのにそれを超えるぐらい華やかな香り。青りんご、パッションフルーツ、洋梨、白い花などのなかにミネラルっぽさもあり、もう香りだけでこのワインがただものじゃないことが分かるし、ぶどうからこの香りがうまれるという神秘さえ感じてしまいます。しかも日本でこんなソーヴィニヨンブランがつくられていることが本当に信じられない。
口にするとその味わいの広がりと強さに驚くし、それでいてするするっと体になじむようなやさしさもある。普段さっぱり系のソーヴィニヨンブランばかり飲んでいるので、とうてい同じ品種とは思えないです。
友人2人も大絶賛で、おいしすぎてあっという間に飲み終えてしまいました。飲み終えたグラスを洗わずにずっと置いておきたいぐらいだった(いい香りなので)。また見つけたらぜひ買ってきてほしいと言われたほど。
ほかにもいろいろといただきました。
同じく信州のワイナリー「楠わいなりー」のピノノワール2015は、買ってきて寝かせておいたもの。2019年以降が飲み頃とあったので開けてみました。エチケットにあるとおりベリーとスパイシーさがバランスよくまろやかで、大好きなピノノワールの味わいでおいしかったなあ。おいしいピノノワールをいただいているときの多幸感ってほかの何にも代え難いものがあります。これももう一度いただきたいけれど買えないだろうな。
友人ストックのイーストラインの白ワインもウズベキスタン土産の赤ワインもおいしくて、4本すべて系統の違う味わいを堪能しました。贅沢なラインナップだったなあ。
ワイン自体で十分楽しめて存在感があるので、料理と合わせるなんて無謀なことは考えずとりあえず食べたいものを並べました。赤大根はマリネ、帆立と大秋柿をカルパッチョにしてさっぱりしたものに、淡路島の玉ねぎをじっくり炒めてお麩とチーズをのせてバーナーであぶったオニオングラタンスープ。秋川牧園の大根はコンソメで柔らかく煮て、ポルチーニと生クリームのソースをかけました。
大秋柿は、妹の義実家の熊本から送っていただいたもので、初めて食べました。甘みがさっぱりとしているのできっとカルパッチョにしても合うかなあと思い。緑のソースは同じく熊本で買ってきてドはまりしている「阿蘇バジルペースト」です。あまりのおいしさにあれから何度もリピートしています。
お麩は京都の半兵衛麩の京やき麩。先日、浅田真央ちゃんのサンクスツアー鑑賞のために京都へ行った際にランチを半兵衛麩でいただき、お麩好きの私は大量に自分へのお土産を購入したため、それを使ってみたのでした。半兵衛麩のお麩は生麩はもちろん、この乾燥のお麩がまたおいしいです。スーパーで買えるお麩よりは少しお値段が上がりますが(1袋350円)食べると納得のおいしさ、驚きの食感です。乾燥麩でこんなに滑らかなものは初めて食べました。これを知ってしまうとほかのお麩に戻れなさそうで怖い。
ちなみに、半兵衛麩の店舗は建物や内装もとても美しく店員さんたちのホスピタリティも素晴らしく、お麩づくしのお食事はお味も器も盛り付けも最高でした。お麩好きの娘も大喜び。予約必須ですがおすすめです。
友人が野菜たっぷりのキッシュを焼いてきてくれました。菊芋やゆりねの食感や風味がとってもおいしくてソーヴィニヨンブランとぴったり合っていて。私が伝えたワインのイメージから合いそうな具を詰めてくれたそう。バゲットは四天王寺前夕陽ヶ丘のParigot(パリゴ)で買ってきました。
大根は、梅田に何店舗かあるフレンチおでん赤白(こうはく)の人気メニュー風に作りました。今回はドライポルチーニを使って作ったので、次回は粉末ポルチーニを使って作ってみたい。このソースがパン泥棒で、パンが進んで困ります。
それから、写真には写っていませんが、手土産にいただいた青森の「ゼネラルレクラーク」という洋梨が、今まで食べた洋梨の中で一番のおいしさでした。もちろんソーヴィニヨンブランにめちゃくちゃ合う。上品でやさしい甘み、やわらかい食感で香りもよく、洋梨がフルーツの貴婦人と言われる理由が初めて分かった。食べごろが難しくて自分ではなかなか買わない洋梨。もしこの品種を見つけたらぜひ買ってみようと思います。
メインはハイ食材室のラム肩ロースブロックをハーブパン粉をまぶしてオーブンで焼いたロースト。お肉はにんにく、オリーブオイル、塩、胡椒、パセリの茎で一晩マリネしました。ハーブはミントも入れたかったのだけれど手に入らず、フレッシュパセリをたっぷりとドライローズマリー、オレガノ、タイムをパン粉と一緒にフードプロセッサーで細かくして、オリーブオイルと塩胡椒を合わせて衣にしています。緑色をきれいに残したくて、オーブンで焼いている途中で一旦お肉を取り出し、マスタードを塗ってハーブパン粉を付け再度焼きました。
いつも塊肉の場合は先にフライパンで表面を焼いてからオーブンに入れるので焼き時間や焼き加減が不安だったけれど、無事いい焼き加減で仕上がってほっとしました。しっとり柔らかくてハーブとよく合っておいしかった。これ、確か驚きのお値段で使い道を考えずとりあえず買ったものだったので、また販売されたら買いたいです。