鱧の南蛮漬け

旅先で出合った忘れられない味。そんな料理を自宅で作ってみることがあります。
7月に入り、鮮魚売り場においしそうな旬の鱧が並ぶようになり、思わず買ってしまった兵庫県産の鱧。2年前の旅で出合い、それからときどき作るようになった鱧の南蛮漬けのお話です。

淡路島が大好きです。大阪から近くておいしいものがたくさんある、まさに御食国（みつけくに）。玉ねぎ、淡路ビーフ、由良の雲丹、沼島の鱧。産直に行くと、野菜の新鮮さと安さに驚き、帰りの荷物はすごいことに。
以前、東浦のフローラルアイランドで買った鱧の南蛮漬けの写真がまだ手元に残っていました。

この量でこのお値段、すごくないですか？！私もうびっくりしてしまい、これを食べたいがために夕食を自宅で取ることにしたぐらい（旅から帰ってきてすぐの夕食づくりほど面倒なことはない）。

お総菜屋さんの南蛮漬け、といえば魚より野菜のほうが多いのでは、というものがほとんどなのに、この鱧の量！見るからにふわふわの鱧がやさしい風味の南蛮酢をたっぷり含んでいます。そして、玉ねぎの添え物感。名物のはずなのに、主役はあくまで鱧で。スライスレモンがいいアクセントになっていました。これを買いたいがために、また淡路島に行きたくなるような、そんな忘れられない味です。

兵庫県産の鱧と秋川牧園の玉ねぎ、人参で作りました。お値段の都合で、私の南蛮漬けは野菜多めです。あんなにぜいたくに鱧を入れてみたいものだ。いろどりに大葉も入れました。スライスレモンは必須。
淡路島では鱧しゃぶも有名で、昆布出汁に焼いた鱧の頭や骨を入れて取った鱧出汁に鱧と玉ねぎをしゃぶしゃぶしていただきます。鱧と玉ねぎの相性は抜群。書いていたら鱧しゃぶも食べたくなってきました。

鱧の南蛮漬けに全力を尽くしたので、あとは簡単に。