鍋島と東一に合わせるべく、という難しいことはさておき、市場からの新鮮食材とごく一般的な食材と乾物を合わせてお酒と一緒に楽しめるお料理をいろいろと作ってみました。一か月ぐらい前から考え始める献立。なにものっていない食卓が、友人からの市場の旬の食材の写真を見たり食べたいものリクエストを聞いていたりしているうちに賑やかになってゆき、当日は盛りだくさんのテーブルになる、というのがなんとも言えない快感なのです。
まずはフルーツトマトのおひたし、出汁ジュレがけ。トッピングにとろろ昆布をのせました。娘がとろろ昆布好きなので常備していて、なにかにつけてのせています。
大きな平鯵はフェンネルとオレンジと合わせてカルパッチョにしました。味付けはシンプルに塩胡椒、E.V.オリーブオイルにオレンジをむいたときに出た果汁で。フェンネルとオレンジは相性がいいので、脂がこってりしすぎない鯵とも合うかなあと。国産のフェンネルがとても爽やかでおいしくて、下ごしらえをしながら友人とけっこうつまみ食いをしてしまう。バーニャカウダにしてもめちゃくちゃおいしいだろうなあ。
天然稚鮎料理第一弾は和風エスカベッシュにしました。和風なので、ブイヨンでなく昆布出汁、お酢は米酢とレモンです。酸味を効かせすぎない飲めるマリネ―ドにしたくて以前レシピにしたので、またそのうちアップしようと思います。
稚鮎がふっくら柔らかで、ワタのほろ苦さと身の甘さのコントラストがおとなのエスカベッシュでした。苦みと日本酒の相性はやっぱり抜群です!お醤油味の南蛮漬けもおいしくて大好きだけれど、鮎の繊細な味わいにはこの味付けにしてよかったかなと。
毎回必ず出す乾物料理は今回2品、熊本名産の干し筍の炒め煮と、信州名産の高野豆腐の煮物。
干し筍はフレッシュな筍とは違ってこりこりとしていていわばメンマの食感です。歯ごたえもの好きにはたまらない。そしてなんともいい風味があるので、1袋炒め煮にして大事にだいじに食べます。作って翌日以降のほうが味がなじんで絶対においしい。もう残り1袋しかないので、また妹が熊本に行く際には大量に買ってきてもらおうと思います。
高野豆腐は水で戻してしっかり水切りしたものを一度油で素揚げしてから煮ます。そうすると外側はしっかりめ、中はふるっとやわらかな、ただ煮るだけの煮物とは全く違う食感になります。高野豆腐のぱさっとしたスポンジのような食感が苦手という方は、この煮物を食べてほしいなあと思ってしまう。ちょっと手間だけど。でもその手間の甲斐あるおいしさです。
アップの写真を撮り忘れたのですが、干し筍の炒め煮の隣、黄色のガラスの器にはおかひじきと茹で鶏の梅ごまマヨネーズ和えを盛りました。
牡蠣はシェル牡蠣と岩牡蠣が産地違いで3種類ありました。写真は三重県産。牡蠣むきが得意な友人がひたすらむいてくれました。言わずもがな日本酒と合います。岩牡蠣は味が濃くて旨味のかたまりです。レモンとすだちの2種類用意していましたが、すだちもよく合いますね。オイスターバーならいくらするんだろう、恐ろしい。
そして天然稚鮎料理第二段は定番の天ぷら!天ぷらが下手な私はアシストに徹し、揚げながら揚げたてをキッチンで立ったままいただいていました。もうおいしすぎて全員歓声をあげまくる。ベランダの木の芽がもう始末の時期だったので、摘んで乾燥させ、塩と合わせてすり鉢で擦って木の芽塩にしておいたところ好評でうれしかったなあ。これから毎年稚鮎の天ぷらパーティーを開きたいと思ったほどおいしかった。
前回ご紹介した楽天市場「ハイ食材室」の鴨ロースは、塩胡椒で表面を焼きオーブンでローストしました。山椒を使いたくて、久しぶりに山椒仕事をして水煮を作り(これをすると山椒の水煮や佃煮が高価な理由をしみじみ感じます…)、バルサミコ酢と醤油、蜂蜜と合わせたソースにしました。このソース、お肉だけでなくうなぎや青魚のソテーなんかにも合います。マグレカナールよりあっさりしているので、日本酒にはちょうどよかったかもしれない。約200gで¥700円ほどなのでこれはリピありだなあ。鴨南蛮にもよさそうです。
アスパラソバージュは鴨を表面を焼いたときに出た脂でソテーしました。しゃきっとしつつ若干のぬめり感があるのが独特で他にない感じなのがいい。
これだけ食べながらもまだ食べます。鮪の中落ちを友人が鉄火巻きにしてくれました。おいしい海苔が三つ切りしかなくてやりにくかっただろうにめちゃくちゃ上手に巻いてくれました。おろしたての山葵をたっぷり添えて、おいしいに決まっています。
加熱用の牡蠣を佃煮にして、「DEAN&DELUCA」で扱っている東京・大谷政吉商店の「羽田大谷の若炊きあさり」と三つ葉と一緒に混ぜご飯にしました。この佃煮、味付けの加減がちょうどよくて気に入っていてリピート買いしています。牡蠣の佃煮は以前アップした”【レシピ】コストコ・ニッスイ冷凍かきでしぐれ煮”と同じです。
近所に住む幼馴染のご主人のご親戚がつくっておられるいちごをたくさんお裾分けしてくれたので、めずらしくデザートのいちごのババロア風(ゆくるてババロアにならなかった)まで作って12品、友人がつくってきてくれたプロ並みのチーズたっぷりのクッキーも入れて計13品でした。
トマトのおひたし 出汁ジュレがけ
平鯵とフェンネルとオレンジのカルパッチョ
おかひじきと茹で鶏の梅ごまマヨネーズ和え
干し筍の炒め煮
高野豆腐の煮物
稚鮎の和風エスカベッシュ
フレッシュ岩牡蠣
稚鮎の天ぷら
鴨のロースト山椒バルサミコソース アスパラソバージュ添え
鮪中落ちの鉄火巻き
あさりと牡蠣の佃煮混ぜご飯
いちごのブラマンジェ風
チーズたっぷりクッキー2種