なんとか無事に晴天のもと高森駅発9時40分発トロッコ2号に乗れることになった私たち。
約55分ののんびり運行、こどもたちには少し長く感じるかな、と思っていたのに、親子ともにあっという間の時間。
とても楽しく貴重な経験に、すったもんだした甲斐ありまくりの乗車でした。
高森駅から立野駅までには9つの駅があり、すべての駅に停車します。
そして、駅ごとにカフェやショップなど、個性的なお店が入っているそう。
入っている、というよりむしろ、駅舎がお店、のような感じだそうです。おもしろいですよね。
基本的に土日しか営業していないお店がほとんどのようなので、次回チャンスがあったら行ってみたいなあ。
さて、こちらは高森駅の次の駅、見晴台駅。
名前のとおり、さっそくの美しい風景に目が奪われるこの駅では、かつて「午後の紅茶」のCMの舞台にもなったそうで、駅に設置されているドリンクの自動販売機で売られているのも午後の紅茶オンリーという徹底ぶり。
ボックスシートになった座席の進行方向右側が阿蘇五岳(上の写真)を、左側が外輪山(下の写真)を向いています。
どうやら1号車から予約順に埋まっていくようで、当日券を購入した私たちは3号車の座席を指定されました。
空席がたくさんあったので、好きに移動してください、と車掌さんからのありがたいお言葉に、写真も撮りまくり。
こうなると当日券でよかった、ぐらいまであり。
車掌さんのお話が楽しくて、景色を楽しみながらも耳も必死に働かせます。
それぞれの駅の特徴や駅周辺の地域のお話など、乗客を飽きさせないのがすごい。
木造の水色の建物に丸い時計ととんがり屋根がかわいい阿蘇白川駅。
寄り道しながら帰っていたら、桜の向こうにこの駅舎が見えて、あまりの素敵さに車を停めてもらって撮りました。素敵さがまったく伝わらない写真だけど。
この駅には「Cafe 75th ST.(セブンティ・フィフス・ストリート)」というカフェが入っているそう。
阿蘇白川駅を過ぎると、右手に吉田城跡、左手に吉田城御献上汲場という湧水地が見えました。
ちょうど地元の方が水を汲みに来られていて、笑顔で手を振ってくださる。トロッコ列車に乗っていると、気づいた方々がみんな手を振ってくださるので、なんてあったかいんだとほっこり。
残念ながら現在は長い駅名ランキング1位の座を譲ってしまったという、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅。
こちらの駅には「ひなた文庫」という古本屋さんが入っているそう。
ログハウスのような駅舎に古本屋、居心地もよさそうで気になります。
白川第一橋梁という南阿蘇鉄道のシンボルである赤い鉄橋から見えた新阿蘇大橋。
眼下を流れる川には、崩落した阿蘇大橋のパーツが流れ着いているのが見えました。あまりの重さに現在も回収できずそのまま放置されているそう。
いきなり現れたものすごい大きさの阿蘇立野ダム。
ちょうど今年2月に完成したそう。ダムを近くで見たのは初めてで、迫力に驚きました。
終点の立野駅は、高森駅と同じく木がたっぷりと使われたモダンな駅舎でした。
JR豊肥本線も乗り入れているため、肥後大津駅から直通運転でここまで来ることができます。
そのためか、外国人観光客がとても多く、私たちが乗ってきたトロッコ列車の折り返しになる立野11時32分発は満席。
やはり高森駅発の9時40分をねらったのは正解だったよう。
運行期間やお天気など乗車のタイミングは限られますが、南阿蘇を55分でぎゅぎゅっと満喫できるトロッコ列車、おすすめです。