沖縄はじめ、南西諸島には「御嶽(うたき)」といわれる聖地がたくさんあり、南城市にある「斎場御嶽(せーふぁうたき)」は琉球開闢(りゅうきゅうかいびゃく)伝説にもあらわれる、琉球王国最高の聖地だそう。
2000年には世界文化遺産にも登録されたという貴重な場所に行ってきました。
斎場御嶽
沖縄県南城市知念久手堅539
098-949-1899
基本情報
●開館時間
3~10月 9:oo~18:00
11月~2月 9:00~17:30
●休息日
2022年5月30日(火)~6月1日(水)
2022年10月25日(火)~10月27日(木)
2023年6月18日(日)~6月20日(火)
※旧暦設定のため毎年変動するそうなので、随時HPをご確認ください
●料金
大人(高校生以上) 300円
こども(小・中学生) 150円
6歳以下 無料
来訪の流れと心構え
車でのアクセスの場合は、南城市物産館前の駐車場に停めます。
路線バスでのアクセスも可能で、「斎場御嶽前」バス停で降りるとちょうど南城市物産館の前に着きます。
こちらの南城市物産館の券売機で入場券を購入し、一旦斎場御嶽前にある「緑の館・セーファ」まで徒歩で向かいます。
(徒歩5~10分程度、行きは軽い登坂)
緑の館でチケットを渡し、係の方から注意事項の説明を受けます。
以下、来訪にあたっての心構えや準備をメモ。
<要注意ポイント>
・神聖な場所のため、肩や背中、お腹、足を出す露出の多いファッションは慎むこと。
・御嶽内のものには触れない、動植物の持ち出しは禁止。
・足元は石畳や水分でぬかるんでいるところ、傾斜など不安定な場所も多く、スニーカーやパカパカしないサンダルがベスト。
・行程はすべて徒歩、券売所から往復すると60分弱の時間になるため、しっかりと水分を持参すること。
・車いすやベビーカーの通行不可。
・写真を撮る前にまずは祈り(どこからきた○○です)を。
観光気分で訪れる人が多い(実際私もそうだった)と思いますが、実際に行ってみると観光地どころではない厳かな雰囲気が漂っている場所です。
昔は男子禁制で、神の許しがなければ国王でも入ることができなかった場所だそうなので、少しでも心づもりをしてから行くといいかと思いました。
久高島遥拝所(くだかじまようはいしょ)
琉球創成神、アマミキヨが降臨したとして島全体が神聖な場所として大切に守られている久高島を臨む拝所。
久高島へは、安座間港から船が出ています。
御門口(ウジョウグチ)
久高島遥拝所の隣、御嶽に入る入口にあたる。
かつてはここから先が男子禁制だったそうです。
右側には6つの香炉が置かれていて、内部にある拝所の数を示しているとのこと(もちろん触れてはだめ)
寄満(ユインチ)
砲弾池という沖縄戦で米軍の艦砲射撃でできた穴に水が溜まった池を越えた奥にある拝所。
「台所」を意味するそうだけれど、実際に調理をしていたわけではないようで、当時の珍しく貴重な交易品が数々集まった場所だそう。
その年の農作物が豊作であるよう祈られたといいます。
三庫理(サングーイ)
二つの巨大な岩が支えあい、自然の三角形の隙間が出来上がっている様に圧倒されます。
現在はこの入口にある柵から奥へは入れませんが、この隙間を抜けると左手に久高島が見えるそう。
突き当り付近から勾玉の出土もあったそうで、非常に重要な場所であったのだろうと想像できます。
もうひとつ、感動したこと。
それは、ニンテンドースイッチのゲーム『あつまれどうぶつの森』でゲットしていた虫知識が初めて実物と結びついたこと。
御嶽内では、亜熱帯の植物が生い茂り、蝶や虫がたくさんいます。
日本で一番大きな蝶、オオゴマダラ(沖縄の県蝶だそう)の飛び方の優雅なこと、茶色や緑のナナフシの擬態のうまさ、カラスアゲハの美しさ。
神聖な場所、手つかずの貴重な自然がこれからもずっと在り続けることを願います。