初めての六甲山登山、なんとか無事おりてこられておなかはぺこぺこ。すっきりと汗を流し金泉で温まった後、お待ちかねの夕食です。
お献立。
文字を見ただけでお酒がすすんでしまう、季節の食材がたっぷりのお料理の数々。
どこへ伺っても私が一番好きなのはトップにあるような先付けや八寸で。迷いもせずまず最初にいただいたのは大好物の白和えです。しめじ、きくらげ、柿に揚げ麩。好きなものしか入っていない白和え。和え衣がまったりクリーミーでもっと食べたかったくらい。白和えに揚げ麩、こくがでていいなと思いました。半兵衛麩のお麩を買いに行きたい。
胡麻豆腐には雲子や金時草、ラディッシュ、キヌアのジュレがかかっている凝ったつくり。
松風や伊達巻、むかご(おおきなむかご、ほくほく)の利休揚げにサーモンの砧巻(これも大好き、昔一度だけスシローで砧巻きに出合ったことがあり、好きすぎて3皿ぐらい食べた思い出、幻のメニュー)、子持ち鮎の有馬煮、柿の葉寿司など、どれもおいしくてお箸が止まりません。この前菜だけで4合瓶を1本開けられそうなぐらい。もう一度食べたい…
椀物は蟹しんじょうに蕪、平茸、柚子。ふわふわのしんじょうで蟹の風味がやさしいお味。汁物好きの娘にも取り分けてあげました。
お造りは鰤、鯛、大間の鮪につくね芋。近海のお魚とあったので鯛はきっと明石の鯛。ふだんは鯛や鮪よりも青魚や鰤や間八が好きだけれど、さすがにおいしいものはおいしいなと思った。わさびもちゃんとおいしい。
焼き魚は鰆の柚香焼(柚庵焼のようなものでしょうか)に丹波の枝豆。鰆も好き。ほくほくの鰆の身がおいしかった。そして焼いた丹波豆がまたおいしくてもっと食べたかった(そればっかり)。
神戸牛のせいろ蒸し。お肉の下には白菜と九条葱が隠れていて、きりっとした酸味のポン酢でいただきます。神戸牛、薄切りでも肉感、脂感がしっかりとある味で、このポン酢につけて食べる意味が分かります。ポン酢につけてもポン酢味にならない。ちゃんとお肉の味わいが残ります。
前菜の次に好きなのが焚き物。海老芋と金時人参、ほうれん草。海老芋が柔らかくほっくりねっとりとしていて、煮汁の味加減も濃くなく薄くなく絶妙な塩梅でおいしかったなあ。やっぱり煮物っていいな。
この後、なめ茸や揚げ茄子のお味噌汁に三田産のこしひかり(おいしかった!)と続き、水菓子です。
シャインマスカットなどのフルーツのゼリー寄せと熟し柿に麩まんじゅう。最後まで美味でした。今思うと有難い話だけれど、こどもの頃、柿はよく家にある果物で、熟した柿なんて特に苦手で食べなかったのに、この柿はジュレみたいでとてもおいしかった。娘はきっと初めて食べたけれど、おいしかったようで完食していました。
小学生のこどもには、松花堂弁当のように、大人と同じ前菜をはじめ、お造り、エビフライや唐揚げ、ハンバーグなどきれいに詰められたものが出されて、見るからに量もたっぷり。食べきれるか心配したのですが、娘もおなかがすいていたようでほぼ完食。おいしかったようです。
久しぶりに旅館でおいしいものをいただいたなあと、大満足、幸せな夕食でした。建物は古いけれどもきれいにされているし、元湯の金泉の温泉もお料理も素晴らしい、いいお宿です。温泉に入って念入りに自己流マッサージをしたおかげか、山を下りてきた時点であった足腰の痛みがかなり軽減されていたのにはびっくりした。翌日以降に痛くなるのか(年のせい)と思っていたのだけれどそれもなく。温泉ってやっぱり効果があるんですね。
ちなみにお食事は大広間に布のパーテーションで仕切られた半個室にて、テーブルと椅子でいただきます。部屋食だとお料理の供されるスピードが気になることがありますが、テーブルには呼び出しボタンもあっていいタイミングでサービスしてくださいます。
翌朝。疲れもあって早めに寝てしまったので5時半ごろに目が覚めました。朝風呂に行き、明るくなってからのお部屋からの景色。朝もやがかかっていて美しかった。
朝食はこんな感じ。笹カレイの干物が肉厚でしっとりの身がおいしかったです。出汁巻きも甘み控えめで好みの味。朝からたっぷりとおいしいごはんをいただきました。
有馬は山椒の産地でもあります。温泉街にある「川上商店」の山椒がお宿の売店にも売られていたので買ってきました。粉山椒(972円)と実山椒(756円)。
さっそく使っています。初めて買ってみた粉山椒は石臼挽きのおかげか開けたときの香りがものすごく華やか。実山椒は何度か買ったことがありますがやっぱりおいしい。どちらもよだれ鶏にたっぷりと使っていただいたら手前味噌ながらおいしくて。これはまた作ろうと思います。