久しぶりに酒と食事を楽しむ会を催しました。
今回は佐賀県が誇る銘酒『鍋島』です。
自宅に鍋島をたくさんストックしていて、たびたび鍋島会を開催してくれる佐賀出身の友人がいます。
いつもはその友人宅で、同じく佐賀の名物である嬉野温泉のお豆腐で鍋をしたり
(このお豆腐がまたおいしい)
茨木市にある大好きなお店、『あかね』に鍋島を特別に持ち込み、開催していただいていました。
(この『あかね』がまたおいしくていいお店)
子連れのため出ていくことがなかなか難しく、しばらくごぶさたしていたところ、うちにお酒を送るので自宅開催でどう?というありがたすぎるお言葉が!
速攻ではいと返事をし、わくわくと当日を心待ちにしていました。
この夏は、熊本・長野・久米島と旅が続き、持ち帰ってきた食材がたくさんあったので、それらを使ってお料理することにしました。
プロのお料理にはかなうわけないのだし、相性を考えたメニュー作りも無理なのだから、いつもどおり自分が食べたくて大好きな味、私らしい家庭料理でいこうと決め、市場に通う別のグルメな友人にメイン食材の調達をお願いしました。
熊本の干し筍、南関あげ、長野のすりくるみ、お味噌、鞍掛豆、久米島のもずくを使いました。
ちなみにお塩は天草のお塩。
熊本のやまうにとうふ(豆腐の味噌漬け)も出そうと思って冷凍していたのに、すっかり出すのを忘れてしまう。
干し筍は一晩戻して茹で、その茹で汁につけたまま冷ましてから調理します。
乾物が大好きなのでこういった作業を全く手間には思わないのだけれど、出来上がるまで時間がかかるのと見た目の地味さでなかなか食卓にのぼらないのかなあと思ったり。
5~6㎜程度に切って、油抜きした南関揚げと人参と一緒に油で炒め、お出汁を入れ調味しました。
田舎の煮物にしたいので、砂糖とみりんを両方入れて少しだけ甘めの味付けに仕上げて。
炒めるときに唐辛子を一緒に入れるとおいしいだろうなと思いつつ、娘も食べるので七味と一味
(例の磯五郎チームです)
をお好みの量で後がけ。
孟宗竹の干し筍で、こりこりした歯ざわりがおいしい。
南関揚げは日持ちのする揚げで、お出汁の含みがとてもよくてふわっとした食感でした。
これでおいなりさんなんて作ったらおいしいだろうなあと思う。
こういう地味な煮物が私は大好きです。
手前のマリボウルに入っているのが、信州・北信地方の名物である鞍掛豆の浸し豆です。
これはレシピがあるので、また次回あげようと思います。
浸し豆の左に写っているのが、昆布と椎茸の山椒煮。
出汁殻昆布の始末のお料理です。
友人からのリクエストで大葉ジェノベーゼソースをのせたカンパチのカルパッチョ。
以前、鰤でやったときに好評で、旬のカンパチを市場で買ってきてもらいました。
大葉ジェノベーゼソースは、バジルの代わりに大葉、松の実の代わりに無塩のアーモンドやピーナッツ(今回はアーモンド)を使い、あとはバジルペーストと同様ににんにく、パルミジャーノ・レッジャーノ、オリーブオイル、塩、胡椒で作ります。
塩味をそれほどきつくしていないので、たっぷりのせて。
新鮮なカンパチがそれはそれはおいしくて!
手前に写っているのが、久米島のもずくで作ったもずく酢。
三杯酢はお出汁をきかせて飲める程度の酸味に仕上げました。
この三杯酢の風味が鍋島米の純米大吟醸に意外に合ったように思います。
カルパッチョの奥にあるのが、ピーマンのくるみ味噌和えです。
長野はくるみがよく採れる
(でも買うときにちゃんと見ないと外国産のことが多々ある)
とのことで、くるみ味噌和えやくるみ和えはよく食べるみたい。
煮切ったみりん、すりくるみ、長野の祖母が馴染みのお味噌屋さんから買っているおいしい信州味噌を合わせただけのくるみ味噌を、じっくり焼いただけのピーマンと和えただけの簡単なお料理。
友人が買ってきてくれた新鮮な渡り蟹を茹でました。
もう文句のつけようがないおいしさです。
焼き物は、友人からの若狭土産で、銀鱈の醤油干しと、カンパチの皮に塩を振ってフライパンでかりっと焼いたもの。
銀鱈のまったりとした脂に醤油の香ばしさがたまりません。
お酒も合うけれど、これはごはんが進むやつだ、と全員が一致。
カンパチの皮もとってもおいしくて、柵で買えたときの醍醐味ですね。
揚げたてを食べたくてがっついていたら写真を撮るのを忘れていた蓮根の海老はさみ揚げ。
海老と蓮根、大好きな食材を組み合わせたかっただけのお料理。
揚げ物がひとつあると、お肉がなくても満足できる食卓になるような気がします。
あと、秋川牧園の鶏皮をカリカリに焼いてねぎを散らしてポン酢をかけたものや、戸隠の乾麺の十割そばをざるそばにして食べたのに、写真を撮り忘れました。
ポルトガルの緑ワインは、つい先日ポルトガル旅行から帰ってきた友人からのお土産。
色合いも緑がかっていて、青りんごの香りがするフレッシュなワインでおいしかったなあ。
鍋島は、幻の酒米といわれる鍋島米を使った純米大吟醸と、Classicという特別純米酒。
もうどちらもめちゃくちゃおいしいです。
語彙がなくて恥ずかしいけれど。
純米大吟醸は2015年の製造、色がワインのように黄みがかっていて、とにかくやさしい香りと風味にうっとりするようなお酒でした。
Classicはしっかりとしたボディもありつつ繊細さもありつつ、焼き物や揚げ物にぴったりでした。
常温はもちろん、これからの季節、ぜいたくにぬる燗なんてのもおいしそう。
5人で一升瓶をほぼ2本開けてしまうほど、おいしかったです。
自宅でのんびりとおいしいお酒を思う存分飲めるなんて、幸せでしかなかったなあと思う。
久米島のもずく酢
カンパチのカルパッチョ 大葉ジェノベーゼソース
ピーマンのくるみ味噌和え
干し筍と南関揚げの煮物
鞍掛豆の浸し豆
昆布と椎茸の山椒煮
鶏皮のねぎポン酢
銀鱈の醤油干しとカンパチの皮のカリカリ焼き
蓮根の海老はさみ揚げ
戸隠の十割そば