法善寺横丁「上かん屋 久佐久」

法善寺「上かん屋」

2025年の初そとごはんは、ずっと行きたかった法善寺横丁の「上かん屋」さんからスタート。
なんとしてでも1月始めのうちには行かねば、だったので、間に合ってよかった…

上かん屋 久佐久

公式Instgram 上かん屋@jyoukanya

なぜ1月始めなのか、そしていつもの地図がないのか、というと、残念ながら15日で閉店が決まっていたのです。

素敵すぎるおかみさんが丁寧にこしらえる名物のおからやおでんは、友人から、「〇〇ちゃんは絶対に食べたほうがいい!」と聞いていました。
私も愛用している大阪錫器さんのたんぽで出される絶妙な温度のお燗酒。
文楽劇場からもほど近い法善寺横丁という風情ある場所ゆえ、出演者さんもよく来られるというカウンター。

本当に間に合ってよかった!

法善寺「上かん屋」の大根のおでん

おでんの代名詞、大根は上品な柚子味噌がかけられています。
つやつや美しい柚子味噌に、柔らかくも煮崩れしていないこれまた美しい大根。
お箸でさっと割るとより分かるジューシーさ。
そして言わずもがなの絶品お出汁。

あまりに自分好みのおいしさとビジュアルのおでんと、丁寧につけられた燗酒がおいしすぎて、
おでん晩酌欲が満たされまくり、この冬、まだおでんを作っていません、笑

法善寺「上かん屋」の名物おから「雪花菜」

そして、名物の「雪花菜(おから)」
おから、を漢字で書くとこういう字になるというのも初めて知りました。この字を当てるにふさわしい、納得の味。
この字を当てた人は、こんなおからを食べたことがあるのだろうか…
なんというか、見た目はもちろん、おから本体の舌触りが他にないなめらかさ。
豆の食感が残ったおからをおふくろの味的に炊いたものも大好き(自分で作るのももちろんこのタイプ)だけれど、おから本体のおいしさと控えめなのに物足りなくない、ちょうどいい塩梅に炊きあげられた、一品料理としてのおからです。
おからってなんだかパサついて苦手、甘ったるい、なんていう方々に、おからってこんなにおいしいんだよ!と配ってまわりたい。
そしてどんぶりで食べたい。

法善寺「上かん屋」の引き上げゆばのおでん

引き上げゆばのおでん。
辛子ではなくとめられた山葵でいただくゆば、豆の香りとお出汁が相まって、なんて美味。
うつわに張られたお出汁も残さずしっかりといただきます。

法善寺「上かん屋」の鴨つみれのおでん

鴨好きとしては頼まずにいられない合鴨のつみれ。上品で美味。
おでんだねとしての牛筋がなかった(と思う)ので、今度おでんを作るなら、牛筋なしで鴨つみれで作ってみたい。

法善寺「上かん屋」の春菊のおでん

火の通り具合が完璧な春菊。
青物は菜の花を入れることが多かったけれど、やっぱり春菊もおいしい。
苦みのある野菜とおでん出汁って合うんだなあとしみじみ。

法善寺「上かん屋」のどて焼き

〆にはこれまた絶品と聞いていたどて焼きを。
直火でうつわごとぐつぐつ温められたどて焼きは、お肉はほろほろとろとろで、味噌はしつこくないのにこくたっぷり。
どのお料理からも感じる品の良さはこのどて焼きにもしっかりとあります。
友人が行くべきと勧めてくれたのが心底分かる、一口食べたらあこがれになる味ばかりでした。

法善寺横丁

私たちが最後の客だったため、帰り際にはご常連さんやおかみさんたちにいろいろな話を伺うことができて、それまたありがたいことでした。
写真に写っている大阪錫器さんのたんぽは、先代(お父様)の頃からずっと使われているものだそうで、お直ししながらまだまだ使われるというお話も。
大阪の地元のつながりも感じる粋なお店です。
この素敵な雰囲気がなくなってしまったのは非常に残念なのですが、移転先のお店も間違いなく素敵なお店になるだろうなあ。
(移転先が決まればまた告知されるそう)
楽しみに待ちます!

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