こどもの頃、外食はいつだって特別なものだった。
帰省したときに連れて行ってもらった地元の洋食屋さんのコーンポタージュ。祖母の仕事が終わるのを待つ間、祖母の職場の小さなビジネスホテルのロビーで飲んだオレンジジュース。今はすっかり変わってしまった「虹のまち」で食べたお寿司。
小さい頃から食べることが大好きだった自分にとって、年に数回あるかないかだった外食は特別でその記憶はとりわけ鮮烈だ。
娘も食べることは好きだけれど、外食より家が落ち着くといってあまり外食したがらない。ただ、私は家のごはんも好きだけれどやっぱり作りたくない時もある。いろんな味も知りたい。いや、もっとシンプルに、誰かが作ってくれたおいしいものが食べたい。
こどもだったら外食なんていつでもうれしいものなんじゃないの?と昔の自分の記憶を根拠にしていた自分には予想もしなかった状況。しかも今は外食自体がなかなかに難しい。
そんな中で娘も納得のおいしくて落ち着くお店、それが桃谷の「グリルポッケ」さんです。
家族のお祝いや節目で伺う店が洋食屋さんだったらいいな、と思っていました。ポッケさんは60年ほど続く街の洋食屋さん。きっとそういうふうに訪れる家族もたくさんいるだろうな、というあたたかみのあるお店です。
今回は妹と姪も一緒で計5人ということで、奥の座敷にご案内いただきました。このお座敷席がまた特別感があって好き。
私がまず最初にお願いするのがトップの黒毛和牛のレアステーキたたき、1,000円。すごく柔らかくて程よく脂がのっていて甘いお肉に薬味をのせていただくのが最高においしい。1人で1皿食べてしまいそうになる。
フォアグラの鉄板焼きはきのこ添えのバルサミコソース。お値段は1,800円程度。とろっと濃厚なフォアグラに焼いた香ばしさ、バルサミコの甘酸っぱさがたまりません。
鉄板焼きのメニューから2品ぐらいお願いしてワインと楽しむのが私の至福。鉄板焼き、大好き。
紅ずわい蟹のクリームコロッケ。900円だったかと。メニューの写真を撮り忘れてしまいお値段はうろ覚えの記憶です。
ここのベシャメルソースが大好き。やさしさを煮込みました、というようなクリーミーソース。蟹の香りはそれほど強くないけれど、塩味薄めのコロッケだからちょうどいい塩梅になっています。食が細くてあまり食べない姪っ子がひとりで1個完食していたぐらい。妹もこのベシャメルを絶賛していました。
写真にないけれどマカロニと海老のグラタンのSサイズも食べました。グラタンはSとMがあって、サイズが選べるのがうれしい。
季節の野菜のピクルス。ポッケさんのピクルスは酸味がはっきりしたタイプなので酸っぱいものが苦手な人には少し食べづらいかもしれませんが(そもそも酸味苦手な人はピクルス頼まないか)、私は好きなのでいつも頼んでいる気がする。
さつまいものピクルスって初めて食べたけれど、おいもの甘みと酸っぱさが意外と合ってびっくり。
夫と妹が食べていたハンバーグセット、2,000円。
スープ、ハンバーグ、クリームコロッケ、フライ、ポークカツ、ハムサラダ、ライス、デザート、食後の飲み物がついてこのお値段、めちゃくちゃお得すぎやしませんか。写真では伝わりにくいのですが、このお皿、結構な大きさなのでボリュームたっぷりです。
これを食べたあと、夫がどうしても食べたかったビーフカツサンドをお願いして、残った分はテイクアウトにしてもらっていました。翌朝に食べても十分においしいビーフカツサンドでした。
そして娘が大好きなお料理がこのビーフシチュー、2,000円。
ドミグラスが苦みのある奥行深い味わいで、私も大好き。そんな大人味のビーフシチューなのに、娘ペロリと完食です…ぜいたくだなあ。でもあんな味わいのシチューは家では絶対に作れないからそれを選んで食べてくれてうれしいです。
こどもたちはデザートにマンゴープリン、私はワインもたくさんいただいて(ポッケさんにはワインのラインナップも豊富、どれもおいしいです)おいしくて楽しい夜でした。これからも通い続けたいお店です。